三源庵の山田です。
みなさん4月に入りましたが、お花見などは行かれましたか?
今年は随分早い開花ですが、桜の花も気温の上昇には敏感でその年によって時期が変動する。
自然は変化する状況を感じて今!というタイミングでちゃんとアクションを起こすもんですね。
先日たまたま羽生善治さんのドキュメンタリーをテレビで拝見していたのですが、
2004年に羽生さんが森内俊之さんに立て続けにタイトルを奪われ1冠のみになった時、
羽生さんはその敗因を定石 (最善とされる決まった打ち方) にとらわれ
守りに入ってしまい、森内さんの果敢な攻勢に押し切られてしまった。
羽生さんらしい終盤の巻き返しも影をひそめてしまった。その中で彼はこう云う、
「信じ切っている状態ではアイデアは浮かばない」
この言葉を聞いた時に私自身もハッとさせられました。
私たちの仕事で考えてみても
商品を作り、販売していくまでの過程で、長年これで大丈夫と続けてきていることって
たくさんあります。
もちろんそれで問題なく進めているので、それを信じて間違いなく実行していくわけですが、
環境などは常に変化して、これで大丈夫と決めた時とは状況も変わっていることも
もちろんあります。
これさえ守っておけば問題ない、という状況が続くと思考も止まります。
何か見落としている箇所はないか、変化に対応できているか、悲観的に見渡すぐらいで
ちょうどいいかもしれません。
その瞬間に対しての最善手を常に考えて、新しい定石を作りあげていかねばと
改めて感じました。
タイトル奪還で再び交わる一局の中で、羽生さんは定石を破る独創的な
一手を次々打ち出し、見事勝利されました。
次々とタイトルを取り戻し、今のご活躍は皆さんの知るところでしょう。
長い歴史の中で蓄積されてきた定石の上に、
自分自身と対する相手、そして現状を掛け合わせて、
今この一手。
私たちも負けてられません。